日本にアメコミブームを巻き起こしたといっても過言ではないほどの人気を誇るマーベルのMCUシリーズ。
現在でも大ヒットを飛ばしながら続いているMCUシリーズの中から、今回は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』について、ネタバレやあらすじ、感想など含めた見どころを紹介していきます。
作品について
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、二大アメコミ出版社のひとつであるマーベルがシリーズ化した作品です。マーベルが発表しているアメコミ作品は『MCUシリーズ』と呼び、同じ世界観を共有するヒーローたちが出演しています。
インフィニティ・ウォーはMCUシリーズの19作品目であり、今までのヒーローたちが終結している壮大な物語です。こちらは前編で、後編の『エンドゲーム』は当時の映画史上の最高記録を塗り替えるほどの大ヒットとなりました。
- 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
- 製作:ケヴィン・ファイギ
- 出演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、クリス・プラットベネディクト・カンバーバッチ、トム・ホランド、チャドウィック・ボーズマン、ゾーイ・サルダナ、トム・ヒドルストン、ポール・ベタニー、エリザベス・オルセンなど
- 脚本:クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー
- 公開:2018年4月27日(日本アメリカ同時公開)
ネタバレ含むあらすじ
それではネタバレを含んだあらすじを紹介していきますので、まだ観ていない方は注意してください。
サノスによる攻撃
物語は、宇宙の人口の半分を減らそうとするサノス(ジョシュ・ブローリン)が、6つのインフィニティ・ストーンを集めるため、ジェノサイドを実行する場面から始まります。
サノス軍の宇宙船が現われて攻撃を受けるニューヨーク。地球のヒーローであるアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)にドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)、ハルク(マーク・ラファロ)とスパイダーマン(トム・ホランド)が対抗します。
しかし、ストレンジの持つタイム・ストーンが奪われると、アイアンマンとスパイダーマンが宇宙船に乗り込み、地球のヒーローたちは宇宙へ向かうことに。
ヒーローたちが合流
一方、マインド・ストーンを持つヴィジョンとスカーレット・ウィッチも宇宙人たちに襲われます。二人は駆けつけたキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)とブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)に助けられ、アベンジャーズの本拠地で合流後、ほかのヒーローたちと対策を練るのです。
その頃、宇宙のヒーローであるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと雷神ソーが合流。サノスに対抗するための策を練ります。ソー(クリス・ヘムズワース)とロケット(ブラッドリー・クーパー)、グルート(ヴィン・ディーゼル)は最強の武器を手に入れるため惑星ニダベリアへ。
スター・ロード(クリス・プラット)とガモーラ(ゾーイ・サルダナ)とドラックス(デイヴ・バウティスタ)にマンティス(マンティス)は、リアリティ・ストーンがある惑星ノーウェアに向かいサノスと対峙。
それぞれの場所で宇宙と地球を舞台にした戦いが起こり、ヒーローたちはサノスに苦戦を強いられることに。
ストーンを手に入れるサノス
サノスが集めているインフィニティ・ストーンが6つ集まると、宇宙の人口を半分にできるパワーを放ちます。そのため、ヒーローたちは必死でサノスを止めようとしているのです。
惑星ノーウェアでサノスにさらわれたガモーラは、妹のネビュラを拷問されたことでソウル・ストーンの場所をサノスに教えてしまいます。二人はソウル・ストーンを手に入れるため惑星ヴォーミアへ向かい、そこでガモーラはサノスによって崖から突き落とされ、サノスはストーンを手に入れるのです。
ヒーローたちVSサノス
逃げ出したネビュラからの連絡で惑星タイタンにやってきたガーディアンズたちは、宇宙にやってきていたアイアンマンたちアベンジャーズと遭遇。
ガーディアンズとアベンジャーズは作戦を練り、タイタンにやってきたサノスを迎え撃つことに。しかし、ガモーラの最期をサノスから聞かされて動揺したスター・ロードにより、ヒーローたちの均衡は崩れ、苦戦を強いられていたサノスが優勢になります。
サノスによってアイアンマンが捉えられ、彼を救うためストレンジはタイム・ストーンを差し出すのです。
地球での戦闘
その頃、惑星ニダベリアで最強の武器を作ったソーたちは、地球へと向かいます。地球には最後のストーン、ヴィジョンのマインド・ストーンがあるからです。地球ではヴィジョンからマインド・ストーンを分離するため、ワカンダの最新技術で対応しますが、マインド・ストーンを狙ってサノス軍が攻めてくるのです。
地球のヒーローたちがワカンダに集結してサノスを迎え撃ちますが、一歩及ばずにマインド・ストーンを奪われて、インフィニティ・ストーンが6つともサノスの手に落ちてしまうのです。
すべてのストーンを手に入れたサノスが躊躇なく指をパッチンと鳴らすと、地球の人々が次々と塵になり消えていきます。ヒーローたちも半分ほど消えてしまい、取り残されたヒーローたちは呆然と立ち尽くすのでした。そうして物語は後編のエンドゲームへと続きます。
感想
続いては、インフィニティ・ウォーの感想や見どころなどを紹介していきます。
キャスト勢ぞろい
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の一番の見どころといえば、これまでの作品に出ていたキャストたちが勢ぞろいしている点です。
アイアンマンから始まり、キャプテン・アメリカにソー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに出演している人気キャラクターがひとつの画面に収まっているシチュエーションは、アメコミファンにはたまらないでしょう。
各作品で主役を張っている人がほんのチョイ役になっているので、豪華さに圧倒されることは間違ありません。
ただし、この作品に出ていないキャラクターがいます。それはアントマンとホークアイです。MCUシリーズ13作目の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』においてアベンジャーズ内部で争いが起こり、何人かのヒーローが政府に捕まった状態でした。
けれどアントマンとホークアイだけは政府と取引して軟禁状態になっています。それは二人とも家族がいるため、ほかのヒーローのように単独で逃亡できないからです。
コミカルな雰囲気があまりない
MCUシリーズはコミカルで明るい雰囲気の作品が多いのですが、本作では最初から不穏な雰囲気が漂っています。
元々アメコミを原作にしているので、ネタバレなどで「おおよそのストーリーはこの原作かな」という予想がファンの間では毎回行われているのですが、今回の原作には希望がどこにもないことが公開前から示唆されていたのです。
サノスによって宇宙全体の人口を減らす指パッチンが公開前から危惧されていましたが、実際本当に人口の半分が消滅してしまったので、希望がどこにもありません。
最初から漂う暗いストーリーの中で、ガーディアンズメンバーたちだけがいつもと同じ明るい雰囲気を保ってくれていたのは、ファンには嬉しい描写でしょう。ただし、ガーディアンズメンバーはほとんどが消滅してしまったので、その点は非常に悲しいと感じます。
ヒーローたちの対決
今までのMCUシリーズ作品で主役を張るようなキャラが一緒に登場するので、ヒーロー同士の対決がかなりおもしろかったです。
特に癖の強いキャラクターであるアイアンマンとドクター・ストレンジの傲慢対決は、かなり見応えがありましたね。
二人とも頭が良くて口が達者なので、もう「ああ言えばこう言う」のやりとりの中、スパイダーマンだけが変わらず飄々と二人の間に入ってくれていたのは、観ているほうとしてホッとしました。
それから雷神ソーとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのクイルは筋肉対決をしています。ソーを宇宙で救出した後、ソーのムキムキ筋肉を見てゾーイが惚れ惚れするようなシーンがあるのですが、ゾーイが好きなクイルが焼きもちを焼くんですね。この対決はクイルの一方的なものだったので、ソーは全くそ知らぬ顔をしています。
それからシュリとバナーの天才対決も見事でした。弱冠16歳のシュリの意見に驚くバナー博士も見ていてとても楽しかったです。二人の天才の意見交換に、ぜひアイアンマンも加えてほしいなと思いました。
人気キャラなのにあまり目立たない
アカデミー賞において、アメコミ映画として初めて作品賞にノミネートされた『ブラックパンサー』(MCUシリーズ18作目)ももちろん出演していますが、この映画ではほとんど目立った出番はありませんでした。
地球の戦場はブラックパンサーの国であるワカンダなのですが、国王であるブラックパンサーはほとんど重要な役どころではなかったのです。
残念ながら『ブラックパンサー』で主演を務められたチャドウィック・ボーズマンさんは、2020年の8月に大腸癌でお亡くなりになられています。
さらにキャプテン・アメリカやブラック・ウィドウなども、ほとんど目立った活躍もないまま仲間を消滅させられてしまうので、各キャラクターが好きな人にはショックが大きいかもしれません。
さらにソーの弟であるロキは、2012年公開の『アベンジャーズ』のメインヴィランだったのですが、映画開始直後にサノスによって亡き者にされてしまうのです。
メインキャラクターを早々に退場させることにとても驚きました。特にロキというキャラクターは敵役にもかかわらず非常に人気があるので、開始直後に退場してしまった衝撃はすごく大きかったです。
人気キャラクターがチョイ役に徹しているだけに、豪華さを感じずにはいられません。
後編(エンドゲーム)への期待が高まる
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は前編です。ほとんどのキャラクターが消滅してしまったので、とにかく後編への期待が高まっていきます。
ファンの間で公開前に予想されていたのは、ドクター・ストレンジが行っていたタイム・ストーンで未来を見てきた結果のこと。
1400万605通りの中で唯一勝てる未来がたったのひとつしかなかったと作中で語られているため、ストレンジがサノスにストーンを渡したのは、何か秘策があったのではないかといわれていました。
さらにエンディングには、アベンジャーズの元司令官であるニック・フューリーとその部下マリア・ヒルが塵になって消えるシーンも、続編への期待値が高まります。
それは、フューリーが消える前にポケベルで誰かに連絡を取っていたシーンです。ポケベルに写っていたのはマーベルのヒーローである『キャプテン・マーベル』。
フューリーがキャプテン・マーベルに連絡したことで、エンドゲームで彼女が活躍することが示唆されていたのではないかと噂されていました。
実際にエンドゲーム公開前に『キャプテン・マーベル』が公開となっていましたので、この作品でもエンドゲームへと続くストーリーがあることは予想できますね。そのため、『インフィニティ・ウォー』を観たあとだとエンドゲームへの期待が止まらないのです。
あとがき
この映画はMCUシリーズの19作品目なので、今までの作品を観ていない人には意味がわからないと思います。
しかし、各作品で活躍していたヒーローたちが終結しているので豪華さはありますし、それぞれのキャラクターの背景を考える暇もないほどの早さでストーリーは進んでいきますので、この作品から観てもまったく理解できないということもないのではないかなと感じます。
それほどストーリーに勢いがありますので、インフィニティ・ウォーからMCUシリーズを初めて観るというのもおすすめです。実際にこの作品でハマって過去作品に注目している人も少なくありません。
そのため、今までアメコミ映画を観ていなかったけれど、少しでも興味のあると思われたらぜひ観てみてください。世界観は壮大ですし、なによりもヒーローたちの戦うシーンの凄まじさは圧巻だといえるでしょう。
アクション好きやヒーローのカッコよさも味わえるので、戦うヒーローものに惹かれる人にもピッタリだと思います。ただし、ある程度の予備知識はあったほうが楽しめるので、インフィニティ・ウォーの前に過去作品をいくつか観ておくと、よりヒーロー映画を堪能できるでしょう。